定点観測

“部活動の地域移行” 再考②:部活動変革は必要

スポーツ庁をはじめ経済産業省も介入した部活動の地域移行論議が,教育委員会や学校現場に混迷を引き起こしている.
岡山県が受託した「地域運動部活動推進事業」の検討会議委員長として,複数の学校長から現状と今後を聞かれるようになってきた.いずれも「どうなるんですか…?」という悲痛な声だ.

スポーツ庁の「運動部活動の地域移行に関する検討会議」も始まったばかりだから結論はまだ出ていない(来年7月頃に提言が出るかもしれない)し,岡山県以外の地域運動部活動推進事業がどのように進められているのかも知らないから,「どうなるんですか…?」という問いに解答することはできない.

しかし,考えられることはあるはずだ.

運動部活動の持続可能性問題は現実に目の前にある.
教員の働き方改革,というよりライフワークバランスの実現は必要だ.
少子化に伴って種目選択の可能性は下がっている.すでにチームスポーツができなくなっている学校は多い.
それとは別の文脈で,地域に開かれた学校づくりは教育経営上の課題だ.
こうした課題の解決は,今の地域移行論議とは別に必要だろう.

そういう意味で,センスの感じられない部活動廃止論は脇に置いて,部活動変革は進めたい.そのためのアイディアを考えておきたい.なお,次回以降に記すアイディアは,複数の学校長,教育委員会関係者,地域スポーツ関係者,その他の有識者との対話を通して発見されたものである.

部活動の活動そのものに関する変革アイディアについては,すでに「“部活動の地域移行” 再構築(2021.10.25)」において「インクルーシブ部活動」の提案をした.
子どもたちの放課後のスポーツライフは,子どもたちを中心にして,学校教員と地域住民が活動をともにしながら支える,というコンセプトだ.

一方,部活動のガバナンスに関する変革については,まだ触れていない.

これまで部活動は学校教育の一環として取り扱われてきた関係上,公的資金によって運営されてきた.部活動指導員の報酬についても同様だ.
しかし,自治体はどこも財政難だ.教員の勤務時間外報酬を一般社会と同等な正当額にすることは期待できない上に,部活動指導員の報酬すら限定的だ.

では,どうするか?
ここに変革の可能性があるはずだ.
(次回へ続く)

髙岡 敦史

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髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。