定点観測

交わる音楽,交わるスポーツ

私にとって音楽は大切だ.
仕事しているときも,歩いて移動しているときも,常に音楽が流れている.

いつもは,卒業生からプレゼントされた高度なノイズキャンセリング機能のあるヘッドフォンを使っているから,周囲の音はほとんどカットされた状況で音楽だけが聴こえている.だから,音質がとてもいい.
ただ,このヘッドフォンは後ろから声をかけられても,肩をトントンされるまで全く気付けない.ノイズキャンセリング恐るべしだ.

そこで,耳を塞がないイヤフォンを購入してみた.
骨伝導ではないのだが,音をピンポイントに外耳道に届けるもので,音楽も周囲の音もクリアに聴こえる.まるで映画やドラマのBGMのように音楽が流れてくる.

ノイズキャンセリング・ヘッドフォンと新しいイヤフォンでは,生活の中の音楽の位置づけが変わった.音楽が支配的だった前者から,音楽が他の音や風景と交わるようになった.
スポーツも同じようなことが起こるのではないかと思う.スポーツ施設や用具が変わると,スポーツの生活の中での位置づけが変わるかもしれない.

髙岡 敦史

WRITTEN BY

髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。