定点観測

インクルーシブ・シティとは,誰もがいきいきと堂々と生きるまち

ありがとうファーム(㈱ありがとうファーム 多機能型事業所)が毎年開催している「PARA MESSAGE FES 2021’」を観覧してきた.

ありがとうファームは,障害のある人たちが自分で稼げるようになるために職業訓練したり,アートで収入を得たりするような活動をしている事業所だ.PARA MESSAGE FESは,この一年の彼ら彼女らのアーティスト活動やサービス業等の活動報告プレゼンや,ザ・ブルーハーツをカバーする「グリーンハーツ」やゲストによるコンサートやダンスが披露される場だ.

ありがとうファームが掲げるビジョンは,「SDGsから共生社会へ」.
障害の有無を超えて,誰もが「いきいきと堂々と,人生を生きる」ことができる社会づくりに向けて,障害者の声を届けようとしている.その詳細は,創業者である木庭寛樹氏の『知ることは,障がいを無くす』(吉備人出版)を読むといい.
PARA MESSAGE FESはまさにそういう空間だった.言葉や映像を超えて,「いきいきと堂々と」したエネルギーに溢れていた.

いつか,こうしたエネルギーが日常的にまちに溢れているといい.
そのためには,まちなかにエネルギーを染み出させる物理的な場が必要だ.
すでに表町商店街には複数の場がある.もっともっと広がってほしい.

髙岡 敦史

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髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。