〇〇審議会委員という仕事
「〇〇審議会」という集まりにいくつか委員として参加している.
中には何年も会長や副会長を拝命しているものもあるが,40代前半の准教授にそうした役職を充てるのは比較的人口の少ない自治体だ.
審議会は,行政の当該部局(スポーツ推進審議会の場合はスポーツ振興課が事務局になる)の政策課題に対して意見を述べたり,協議してアイディアを出したりするための集まりだ.
スポーツに関係する審議会は,そのほとんどが審議会での決議でスポーツ行政を法的に拘束することもできないし,意思決定権限もない諮問機関だから,意見を出すことだけがその役割になる.
意見すればいいだけ,とは言え,委員はその領域について知識や経験のある者として呼ばれているから,当日の資料をしっかり読み込み,当該自治体の政策課題を踏まえて,責任をもって意見をしようと思って臨んでいる.
しかし,自治体や事務局担当者によっては,「ご意見は伺いました.あとはこちらで考えます」という態度が露骨なこともある.お墨付きをもらいたいだけ,あるいは,審議会で審議されたというアリバイがほしいだけ,という思いが透けて見えるのだ.これまでの経験上,人口の多い都市ほどその傾向が強い.
そういう事務局の姿勢に甘んじたまま審議会に参加すると,そこで意見することに意味はなく,徒労感だけが残ることになるから,強く意見具申するか,あるいは黙ることになる.
私は生来黙ることができないタイプだから前者になるわけだが,そういう委員は事務局的には面倒な存在だ.初参加から数回の審議会では事務局とのイニシアティブの争奪戦が起こることになる.
しかし,どちらも政策を破綻させてやろうとは思っていないし,より良くなることを目指しているから,どこかで共通理解や意思共有を成立させる必要がある.そういう議論をできるだけ早い段階で乗り越えられるとあとはスムーズで,互いにいい仕事ができる.
これからも審議会に呼ばれることがあるだろうが,手加減しないで仕事していきたいと思っている.
※写真は諸々乗り越えた審議会.