定点観測

スポーツしながら飲むというスタイル

ボッチャ忘年会なるものを計画中だ.開催日も決まっている.

コロナ禍で経営の厳しいホテルと旅行会社と協業して企画した.
ホテルは会場と飲食を,旅行会社は県内在住者のマイクロツーリズム支援を活用したツアー組成を担っている.弊社は主催者として内容企画と参加者募集,申込受付,運営を担う.
限定30名のテスト運用だが,もう定員に達しようとしている.

夜の街は人出こそ回復基調にあるとはいえ,大人数の宴会は少ないようで,忘年会もそれほど大きな期待を持てそうにない.そんな中だからこそ,感染対策をしながらワイワイガヤガヤしよう,ということなのだが,ただ飲むだけでは能がない.

そこで,インクルーシブなスポーツであるボッチャをテーブルにしようという算段だ.
スポーツをテーブルにした宴会はそんなに多くない.
ダーツやビリアード,ボーリングといったスポーツは飲みながらできる種目だが,プレイするフィールドが小さいから,グラス片手に観戦する余地が小さい.スポーツバーがパブリックビューイングをテーブルに宴会を催してきたが,スポーツをしながらそこにいる人たちが目の前のゲームにワイワイガヤガヤしながら飲む,ということはほとんどなかったと思う.

心拍の上がるスポーツではそもそも飲めないし,多くの種目では技能差が大きいといっしょに楽しめない.グラス片手に観戦する側もプレーヤーと同じようにゲームに没入できる種目というのもそんなに多くない.
そういう意味で,ボッチャは最適なスポーツのひとつだ.

今回のボッチャ忘年会をテストケースとして,いつか,スポーツプレイ・バーみたいなものができたらいいなと思う.

髙岡 敦史

WRITTEN BY

髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。