定点観測

感謝の赤ペン先生

卒論提出日まで1週間ちょっと.
学生たちが書き上げてきた原稿に赤ペンを入れる仕事がいよいよ本格化.
私自身も書かないといけない原稿や報告書に追われているから,定点観測にまでなかなか手が回らない.

卒論は指導する側もトレーニングになる.
他人が書いた文章を理解して,研究として再構成して,枠組み全体から見直して,期日までに完成させられる程度に思考を促すコメントを付す,という作業は,自分で書くより多くの研究的思考を必要とする.しかも,それが指導している卒論生の人数分あるから,知恵熱が出そうだ.

一つひとつの卒論は研究として面白いテーマを扱っているから,自分で調査して書いた方が楽しいし,早いし,楽だし,研究としてのクオリティは高くなるのだが,そもそもそれでは卒論にならない.しかも,私の身体と時間は有限だから,私自身がすべての卒業研究を実践することはできない.そういう意味で,卒論指導はいい勉強になる.卒論生のおかげで私の視野が拡がっている.

感謝しながら,強めの赤ペンを入れようと思う.

髙岡 敦史

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髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。