定点観測

赤ペン先生の卒論紹介④:生涯野球小僧はこう生まれる

今回は「生涯を通してスポーツに関わり続ける条件-「野球小僧」はどのようにして生まれるか―」.

幼い頃から,大人になった今でも野球に関わり続ける「野球小僧」(インタビュー中に当事者から発せられた言葉)の4名が,どういう経験や出来事で生まれるのかを明らかにした研究.生涯を通してひとつのスポーツに関わり続けるというスポーツライフの成立にヒントが得られる研究.

4名から発見された「野球小僧」成立条件は,「野球へのポジティブな思い」,「他者からの応援やアドバイスへの感謝や共感」,「ネガティブな経験に対する忍耐」,「時期的な偶然,偶然の巡り合わせ」の4つだった.

他の種目に適用することは難しいが,その種目に対してポジティブな思いを持ち,関わり続けることを促進する他者との出会いと交流があることは,スポーツに関わり続けるための必要条件だろう.

髙岡 敦史

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髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。