定点観測

広告価値の危うさと救い

先日のPRTIMES経由のプレスリリース「日本初!現役プロ・スポーツ選手の長期インターンシップ・マッチング事業開始!」の拡散を調べてみた.

リリースから3日間経った10月22日11:00現在で,産経ニュース,PRESIDENT Online,財経新聞,東洋経済オンライン,JBpress(日本ビジネスプレス),時事ドットコム,現代ビジネスといった経済・ビジネス系メディアの他,ネットメディアを含めた27のメディアに掲載され,広告換算額にすると266,871円の効果があったらしい.

ネットメディアの広告価値の算出式がどうなっているのか分からないし,実際に各社による自動転載にどれくらいのリーチがあったのかは分からない(おそらく極めて少ない)のだが,26万円という額をはじき出されると,リリースにかけた労力はペイできているかも,と思えてしまう.金額換算することのマジックだ.

あえてスポーツのカテゴリーでリリースしたのにも関わらず,経済・ビジネス系メディアが転載してくれたのは嬉しかった.一方,リリースが届いているはずのスポーツ系メディアが転載してくれないのは,プロ・スポーツ選手のセカンドキャリア問題の根深さを感じる(担当者のメールに届くだけで,自動転載のシステムを持ってない可能性もあるが).

すべてがプレスリリースの自動転載だから注目されているというわけではないのだが,複数社からの独自取材の依頼もあって,拡がるのはこれからじわじわと,かなと思っている.

髙岡 敦史

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髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。