定点観測

スタバのJIMOTO,スポーツの地元?

スターバックスコーヒーの25周年を記念した最新フラペチーノは,47都道府県それぞれの限定だ.各都道府県のパートナーが「地域のお客様を想い,考案したフラペチーノを,ぜひお住まいのJIMOTOでお楽しみください」ということらしい.

スタバは2020年末から,アプリに各店舗の来店スタンプ機能が実装されていて,来店するとその店舗のスタンプが押されたり,リピート数等に応じて称号のようなものが付与される.それらは商品購入に使えるポイントではないから,直接的な顧客メリットはないけれど,ロイヤルカスタマーの心をくすぐる効果はあるのかもしれない(私はくすぐられたw).一方で,このスタンプ機能は,行きつけの店舗に顧客を固定化させず,顧客の流動性を高めてシェアしようとしているようにも見える.「スタバ交流人口の増加策」とでも言うべきか.

全国に1,637店舗を展開するスタバ.岡山県内にも18店舗あって,これは県内の美術館の数より多い.これだけあると,文化的な社会インフラとして活用できそうだ.
大手飲食チェーンが地域固有の商品を「JIMOTO」と表現して展開する時代にあって,スポーツやアートなどがJIMOTO性を備えることはもはや新しいことではない気がする.

髙岡 敦史

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髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。