定点観測

オープンソース溢れるまちがいい

「オープンソース」

好きな言葉のひとつだ.

IT用語としては,ソフトウェアを構成しているプログラム「ソースコード」を無償で一般公開することで,誰でもそのソフトウェアの改良や再配布が行なえるようになり,継続的に改良され続けるソフトウェア開発方式のことだ.

IT用語として好きなのではなく,考え方として好きなのだ.
思い付いたことや考えていることをどんどん公開・共有することの大切さを表現する言葉だと思っている.

アイディアは知的資産の蓄積の結果生み出せたもので,その蓄積のために投じた時間や思考やお金は確かにあって,無償で公開することは一見,損するようにも思える.精度の高いアイディアの提供にはお金を取っていい,と考えることもできる.

しかし,大学院時代の先輩に「一番最初に考えた人ほど一番考えた人はいない.だから,どれだけアイディアを伝えても,誰も追い越せない.だから,思いついたら隠すんじゃなくて,色んな人に話していい.」と言われたことが,今でも頭に残っていて,色々な人に伝えることでこちらの思考もブラッシュアップされたり,グレードアップされたりすることがよくあるから,おそらく真理なんだと思う.

私が個人のFacebookなどのSNSで,今考えていることを公開しているのは,自分の思考をオープンソース化したい,という思いからだ.
スポーツ文化の振興とスポーツによる地域振興が目指すべきゴールだから,アイディアはどんどんまちに放り投げたらいい.

髙岡 敦史

WRITTEN BY

髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。