定点観測

理想のまちにほしいもの5:企画展が挑戦的な美術館・博物館

5回目は「企画展が挑戦的な美術館・博物館」.

前回,図書館は知的で静謐な空間に価値があると書いた.
美術館や博物館も文教施設だから,制度的には図書館と似たような機能があるのだと思うが,文化の発信・継承・創出機能は図書館にはない大きさがある.

常設展示されているコレクションは,その美術館・博物館がまちに発信・継承しようとする文化を表していて,理念や思想,歴史そのものだ.
一方で,まちに向けて創出しようとしている文化が具体的に表れるのが企画展だと思う.

企画展の編集の新規性が高く,まちに対して強烈なメッセージを発するものであればあるほど,まちの文化は大きく変質するだろうし,まちは自由になり,クリエイティビティが向上すると思う.そういう美術館や博物館があるといい.

髙岡 敦史

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髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。