定点観測

理想のまちにほしいもの20:まちの持続可能性にガチで貢献する企業

第20回は,「まちの持続可能性にガチで貢献する企業」

SDGsが叫ばれて久しい.ずいぶん広まったと思う.
極めて公共性の高いテーマだと思うのだが,どちらかというと企業が「SDGsに貢献します!」と謳うことの方が多いように感じる.
もちろん,事業と組織の持続可能性は,マーケットとしてのまち・ひと・地球の持続可能性と一蓮托生だし,社会課題の解決に貢献することが企業ブランディングの改善につながるから,企業がSDGsに貢献することは合理的だ.

しかし,持続可能性の確保に一定の成果を出そうとガチで取り組む企業と,SDGsブランディングしたいだけではないかと感じる企業がある.

まちの持続可能性は,そこに暮らすすべての市民にとって自らの問題だけれど,生活や経済のシステムに変革をもたらしたり,あるいは多くのコストがかかるような取り組みは,行政や企業,NPOのような共的な団体の力が必要だ.
そういう意味で,まちの持続可能性の確保にガチで貢献しようとする企業は,まちに必要不可欠だ.
そんな企業そのものが持続可能であるようなサポートは,行政の補助金だけでなく,市民にもできることはありそうだ.

髙岡 敦史

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髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。