定点観測

赤ペン先生の卒論紹介⑦:インクルーシブ体育は難しい

今回は「公立学校で行われるインクルーシブ体育の現状」.

障害をもつ子どもが,通常学級の体育授業に入って学習するインクルーシブ体育の現状を明らかにした研究.特別支援学級が増えている今日,健常・障害を超えてともに学ぶインクルーシブ教育が注目されていて,体育での実践を研究対象にしたもの.その体育授業の中で,障害をもつ生徒がどのように学習しているかを綿密な観察・記録を通して明らかにした.

障害生徒は,(障害の程度にもよるが)集団での話し合いや対人的な運動が健常生徒に対して活動が少なく,集中できていない時間が一定量あった.一方で,個人で運動する時間に違いはない.
一方,授業をしている先生方は,授業の場が障害生徒にとって居心地のいい居場所になることを留意していたが,同時に難しさを感じていた.
完全かつ有効なインクルーシブ体育は課題山積だ.

髙岡 敦史

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髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。