定点観測

空の下のスポーツ

暑い.
日中は直射日光がひとつの手加減もなく照り付ける.
その代わり,毎日,まちに美しい夕焼けを連れてくる.
一瞬だけ,すーーっと暑さが引いていくマジックアワー.

まちは,一日の中でも表情をコロコロと変えていく.
屋外のスポーツは,自然の表情の中で行われる.しかし,「ジブリなスポーツ」シリーズで書いたが,競技性が高まる(厳密さが求められるようになる)と,自然環境の変化はノイズとして扱われてしまう.

その時間にしかない空や空気,地面の表情も,日常的なスポーツの楽しさの一部としてもっと注目されていいような気がする.例えば,

―― 朝もや立ち込める中のテニス
―― 朝露に濡れるピッチでサッカー
―― 夕方のトワイライト・バスケ
―― 星降る空の下の野球
―― シンデレラタイム・ダンス

照明演出も含めて,そういうことができる場がまちにあるといい.

髙岡 敦史

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髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。