定点観測

スポーツまちづくりの対話場づくり

岡山県eスポーツ連合(JeSU岡山)が隔月で実施している「おかやまeスポーツラボ」のリ・デザインとファシリテーションを発注して頂いた.

おかやまスポーツプロモーション研究会の運営7年間と各地のまちづくりワークショップで蓄積した経験知,対話場形成の理論知を総動員して組み立てたが,場は生き物だから,現場ではアドリブも繰り出す.

こういう場は,基本的には主催者の開催理念や意図をベースにデザインしなければいけないが,主催者の思いを超越した次元で,次の3つを追求したいと思っている.

・出会いの場になり,関連情報がスムーズに共有される社会的ネットワークを創出すること
・人材育成(インキュベーション)の場になること
・事業が構想される場になり,具体的な事業創出のトリガーになること

これらは,同時に満たされていくというより,主催者の思いによって順序があるはずだ.
岡山県eスポーツ連合は,まずは「eスポーツ」というものの理解や最新情報を共有するのが先決だと判断した.つまり,社会的ネットワークの創出から始める,ということだ.
その後,eスポーツラボを対話場としたおかやまのeスポーツ・ネットワークの中で,活用可能性を考えられる人材が育ったり,具体的な事業が同時多発的に創出されていく,というシナリオを描いた.インキュベーションと事業創出が同時進行で進むイメージだ.

今後のおかやまeスポーツラボは,このシナリオに沿って展開されていくことになるだろう.

私はeスポーツの素人だから,知らないことだらけだ.
だからこそ,eスポーツラボは新しいことと新しい人に出会える場にしたいと思っている.
参加者の中で一番ワクワクできるように,ファシリテートをしていきたい.

髙岡 敦史

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髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。