定点観測

理想のまちにほしいもの10:若葉,花,紅葉,落葉などの四季の変化を感じられる木々

第10回は「若葉,花,紅葉,落葉などの四季の変化を感じられる木々」.

都会化がコンクリートジャングル化を意味する時代はすでに終わっている.
人間も地域生態系の中で生きる生き物であることを感じながら生きることは,これからのライフスタイルや生活環境のあり方を考える上でとても重要なことだと思うから,まちが自然から四季の変化を感じられるようにデザインされていることは大切だと思っている.

第2回「子どもたちが自由に遊べる自然豊かな公園(2021.12.02)」で,自然豊かな公園がまちなかにあるといいと書いたが,四季を感じる仕掛けはまちなかに溢れているといい.それが,木々だろう.

街路樹は色味や背の高さだけでなく,管理しやすさで選ばれるらしい.病害虫や乾燥に強く適当に管理しても枯れにくかったりするものだ.
国交省の調べによると,日本で多く植えられている街路樹は,落葉広葉樹が6割以上を占めていて,常緑広葉樹が2割ほど,針葉樹は1割程度らしい.高木では第一位がイチョウ,サクラ,ケヤキ,ハナミズキ,トウカエデの順,中低木では第一位がツツジ,シャリンバイ,アベリア,サザンカ,ドウダンツツジの順だ(本数順).
高木類は紅葉で四季の変化を強く感じられるものが多く,中低木は春だけでなく様々な季節で花が咲くものが多い印象だ.

桜並木やイチョウ並木はフォトジェニックな風景を見せてくれる代表格だが,色とりどりの花や葉もみたいところだ.
どこで読んだ記事が忘れてしまったが,オーストラリアの公園では一本一本の木の情報にアクセスできるようになっていて,市民が思い思いの名前を付ける権利が販売され,公園管理に活かされているということだった.姿かたちにも個性があるし,病気になって治療された履歴や落雷を受けてもたくましく成長している木は人気が出るということだった.こういう仕掛けがまちなかの街路樹にあってもいい.

髙岡 敦史

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髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。