定点観測

未来構想メモ④:未来のスポーツまちづくりのカタチ

これまで,「未来構想メモ①:脱成長と心・身体の幸福追求のスポーツまちづくり?(2021.11.28)」,「未来構想メモ②:自給自足・地域循環のスポーツまちづくり?(2021.11.29)」,「未来構想メモ③:地域生態系の中のスポーツまちづくり?(2021.11.30)」と,スポーツまちづくりの未来をふわふわした抽象度で書いてきた.

そこから思い起こされる未来のスポーツまちづくりのカタチを整理しておきたい.

わたしたちは,今の「当たり前」からの離脱が求められるだろうと思う.
当たり前とは,

  • 豊かさとは量的なもの
  • 成長とは右肩上がりなこと
  • 成長は競争をエネルギー源にする
  • グローバル資本主義に生きる
  • 資源調達は人間社会のために行われる

といったところか.

これらから離脱するスポーツまちづくりは,

  • 豊かさとは質的なもの,つまり幸福やウェルビーイング
  • 成長ではなく発展.発展は循環と持続可能性が不可欠
  • 発展は共生・共創をエネルギー源にする
  • ローカルなシェアリングエコノミーに生きる
  • 資源調達は地域生態系を保全する形で行われる

といったイメージを基本にしたものになっていくものと想起される.

これらすべての基本イメージには,

インクルージョンの達成と活用

が底に流れていると思う.

結論.
未来のスポーツまちづくりは,人間同士はもちろん,自然環境と人間の関係,自然環境と文化,文化同士が,共生・包摂の関係を結び,異なることや多様であることを活かし合う生態系(エコシステム)を構成することに向かうだろう.

では,これから具体的に何をしていくか?
今から動き出さないと間に合わない.

髙岡 敦史

WRITTEN BY

髙岡 敦史
スポーツまちづくり会社・合同会社Sports Drive 社長 岡山大学大学院教育学研究科 准教授、博士(体育科学) スポーツ経営学を専門とする研究者であり、スポーツまちづくりの現場に多く参画している。近著に『スポーツまちづくりの教科書』(2019年、青弓社)。