スポーツと地域

シリーズ「どう解く?部活動の地域移行という超難問」(序)

2022年6月6日、スポーツ庁に設置された検討会議がスポーツ庁長官に「運動部活動の地域移行に関する検討会議提言」を提出した。

これまで日本のスポーツ振興システムを、ある面ではポジティブに、そしてある面ではネガティブに支えてきた運動部活動がいよいよ大きく変わり始める。移行期間として設定された令和5年度から令和7年度の3年間は、手放す側の学校現場も、受け取る側の地域スポーツ現場も、大混乱だろう。

筆者も当事者のひとりだから、「大変そうですねぇ」と横目に見ることはできない。子どもたちにとっても、学校の先生方にとっても、地域スポーツ関係者にとっても、保護者や地域住民にとっても、幸せな結末にしなければいけないと思っている。

そこで、「どう解く?部活動の地域移行という超難問」と題したシリーズを始める。
すでに国の方向性は定まったけれど、多くの課題が表面化するのはこれからだ。それらを想像しながら、子どもたちのスポーツ機会が行方不明にならない方法を見定めてみたい。

筆者はこれまで、地域部活動という新語が生まれた頃から「定点観測」で部活動の地域移行について私見を書いてきた。シリーズの導入として、まずはそれらを紹介しておく。

”部活” 迷走中.未来を創るのは今だ.(2021.08.31)
部活動廃止?(上)ー部活動改革の最先端ー(2021.10.08)
部活動廃止?(中)ー部活動廃止は世紀の愚策か?悩める学校の救世主か?ー(2021.10.09)
部活動廃止?(下)ーどう考えるか?ー(2021.10.10)
部活動廃止?(番外)ー部活動新構想ー(2021.10.11)
部活動はどうあればいい?と話そう!(2021.10.12)
“部活動の地域移行” 再考①:リスク(2021.10.24)
“部活動の地域移行” 再考②:部活動変革は必要(2021.11.02)
“部活動の地域移行” 再考③:コンセプトは?(2021.11.03)
”部活動の地域移行” 再考④:移行論の欠陥の根っこ(2021.11.11)
”部活動の地域移行” 再考⑤:地域移行は究極の一手ではない(2021.11.27)
“部活動の地域移行” 再構築①:インクルーシブ部活動(2021.10.25)
“部活動の地域移行” 再構築②:子どもと大人とまちが成長する部活動(2021.11.04)
”部活動の地域移行”小結論:崩壊に向かわないために(2022.02.10)